執筆者
福永内科神経科医院
理事長福永 慎Shin Fukunaga
略歴
- 平成16年宮崎県立宮崎南高等学校 卒業
- 平成22年聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成24年聖マリアンナ医科大学病院 初期臨床研修修了
宮崎大学医学部附属病院 第一内科入局 - 平成25年4月~平成28年3月 JCHO宮崎江南病院医員
- 平成28年4月~平成29年9月 県立延岡病院副医長
- 平成29年10月~令和5年3月 愛仁会井上病院透析内科医長
- 令和5年4月福永内科神経科医院 副院長
- 令和7年福永内科神経科医院 理事長就任
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)の値に異常がある状態です。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い場合も含むため、現在は脂質異常症という名称が使われています。
脂質異常症の大きな特徴は、自覚症状がほとんどないことです。痛みや体の不調を感じることなく、血管の壁に脂質が溜まり、動脈硬化が静かに進行していきます。その結果、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を突然発症するリスクが高まります。宮崎市にある福永内科神経科医院では、脂質異常症を含む生活習慣病の管理に力を入れており、腎臓専門医の視点から、動脈硬化が腎臓に及ぼす影響にも目を配りながら診療しています。
脂質異常症は自覚症状がないため、健康診断で指摘されて初めて気づく方がほとんどです。指摘を受けた方は、放置せずに早めにご相談ください。
LDLコレステロールは血管の壁に付着して動脈硬化を進める原因となるため、「悪玉」と呼ばれています。140mg/dL以上で脂質異常症と診断されます。
HDLコレステロールは血管に溜まった余分なコレステロールを回収する働きを持っています。40mg/dL未満になると、動脈硬化が進行しやすくなります。
中性脂肪が150mg/dL以上の場合、脂質異常症に該当します。食べすぎや飲酒、運動不足などが原因となることが多く、肥満やメタボリックシンドロームとの関連も深い項目です。
脂質異常症は、食生活の乱れ(動物性脂肪や糖質の過剰摂取)、運動不足、肥満、過度な飲酒、喫煙、加齢、遺伝的な要因などが原因となって発症します。また、糖尿病や甲状腺機能低下症、腎臓病などの疾患に伴って脂質の値が悪化するケースもあり、原因を正しく見極めることが適切な治療につながります。
脂質異常症を治療せずにいると、動脈硬化が進んで、以下のような疾患を発症するリスクが高まります。
脂質異常症は高血圧や糖尿病と合併することが多く、複数のリスクが重なると動脈硬化の進行が加速します。また、動脈硬化は腎臓の血管にも影響を及ぼして、腎機能の低下を進める要因にもなります。当院では腎臓専門医が生活習慣病を総合的に管理していますので、脂質の値だけではなく、腎臓への影響も含めた包括的な評価を行っています。
LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の各数値を測定します。正確な結果を得るために、空腹時に採血を行うことがあります。腎機能や血糖値、肝機能なども合わせて確認して、合併症の有無を評価します。
首の血管に超音波を当てて、血管壁の厚さやプラーク(脂肪の塊)の有無を観察する頸動脈エコー検査を実施します。動脈硬化がどの程度進んでいるかを視覚的に評価できます。当院では臨床検査技師がエコー検査を担当しています。
手足の血圧を同時に測定して、動脈硬化の進行度を評価します。脂質異常症の患者様において、血管の状態を数値で確認する上で役立つ検査です。
治療の基本は、食事と運動による生活習慣の見直しです。飽和脂肪酸や糖質の摂取を控えて、食物繊維や青魚に含まれる不飽和脂肪酸を意識的に取り入れることが勧められます。また、有酸素運動を継続することで、HDLコレステロールの増加や中性脂肪の低下が期待できます。
生活習慣の改善を続けても脂質の値が十分に改善しない場合や、動脈硬化の進行リスクが高い場合には、お薬による治療を行います。スタチン系薬剤をはじめ、患者様の脂質の状態や合併症に応じて適切なお薬を選択いたします。腎機能への影響を考慮しながらお薬を選べることが、当院で治療を受けていただくメリットの一つです。
脂質異常症は自覚症状がないため、健康診断の結果が最も重要な発見のきっかけになります。コレステロールや中性脂肪の値が基準を超えている方は、放置せずに早めの受診をご検討ください。当院では、脂質の管理に加えて、高血圧や糖尿病、腎臓の状態も含めたトータルな生活習慣病管理を行っています。