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理事長インタビュー
父の姿に導かれた医師への道
腎臓の世界に魅せられて

医師を目指したきっかけは?

父(院長)がこの地で心療内科・精神科の医院を開いていましたので、医療は幼い頃から身近な存在でした。父が働く姿を日常的に感じながら育つ中で、自然と医師という職業を意識するようになりました。
医療の道を志して聖マリアンナ医科大学に進学して、研修医として実際の医療現場に立った時に、患者様と向き合うことの奥深さとやりがいを強く感じました。あの経験が、今の私の原点になっていると思います。令和7年に理事長に就任し、腎臓専門医・透析専門医としての経験を活かした診療に取り組んでいます。

腎臓内科を専門に選んだ理由は?

研修医の頃に出会った腎臓内科の先生方の存在が大きいです。とにかく知識が豊富で、どんな質問にも理論的に答えてくれる。内科全般に精通しているだけではなく、手技も器用で、「何でもできて、何でも知っている」という方でした。
「この人に聞けばとりあえず大丈夫」という安心感を周囲に与えられる姿に、強い憧れを感じました。自分もそうなりたいと思ったのが、腎臓内科を選んだきっかけです。腎臓内科の先生方は理論的に物事を考えて、それをわかりやすく伝える力を持っていました。患者様からのご質問に対して、根拠を持って丁寧にお答えできるのは、あの頃に学んだことが土台になっていると感じています。
生まれ育った宮崎の地で
地域医療に専門性を届ける

地元に戻られた経緯は?

大学卒業後は大阪の井上病院で透析内科の医長を務めるなど、複数の医療機関で経験を積みました。井上病院ではシャント手術をはじめとする血管内治療にも数多く携わり、腎臓病の患者様を診断から透析導入まで一貫して診る力を身につけました。
様々な現場で研鑽を重ねる中で、次第に「この経験を地域の医療に活かしたい」という思いが強くなっていきました。宮崎では腎臓内科を専門的に診療している開業医は多くはありません。自分が培ってきた知識と技術を、生まれ育った地域に還元できるのではないか。その思いから、令和5年に当院の診療に加わりました。

クリニックではどのような診療が受けられますか?

腎臓内科と糖尿病内科を中心に、高血圧や脂質異常症といった生活習慣病を幅広く診ています。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療にも対応しており、生活習慣病との関連を踏まえた総合的な管理を行っています。もちろん、風邪や発熱などの一般的な内科疾患にも対応していますので、「どこに行けばいいかわからない」という時もお気軽にご相談ください。
また、当院には内科と心療内科・精神科が同じ施設内にあります。心療内科・精神科を受診されている方の中には、糖尿病や高血圧といった身体的な不調を併せ持つ方も少なくありません。別の医療機関に足を運ぶことなく、同じ場所で内科の診療も受けていただける環境は、当院ならではの特徴だと考えています。身体と心の両面から、患者様の健康を支えていきたいと思っています。
いかに悪くしないか」
腎臓専門医だからこそできること

腎臓内科の診療で心がけていることは?

慢性腎臓病は成人のおよそ5人に1人が該当すると言われていますが、初期にはほとんど自覚症状がありません。健康診断で「クレアチニンが高い」「eGFRが低い」と指摘されても、どこに相談すればいいのかわからず、そのままにしている方が多いのが現状です。健診の結果で特に注意していただきたい項目は、クレアチニン、eGFR、尿蛋白、尿潜血の四つです。異常値が出た時にその意味を正しく評価して、次のステップを判断するのが腎臓専門医の役割だと考えています。
腎臓の病気は基本的に完治するものではありません。だからこそ、「いかに悪くしないか」が最も重要になります。私は透析医療の現場で、透析に至るまでの管理やタイミングの見極めを数多く経験してきました。適切に管理ができれば、透析の導入を1年、2年と遅らせられることもあります。たとえ1年であっても、患者様の生活にとっては非常に大きな意味を持ちます。
現在も他院でシャント治療に携わっており、透析の現場を知っているからこそできる判断や見極めがあると感じています。

早い段階で受診することの大切さについて、どうお考えですか?

腎臓の病気に限らず、生活習慣病は悪化してから治療を始めるよりも、早い段階で見つけて管理を始めたほうが、患者様のご負担は格段に小さくなります。「ちょっと数値が気になる」と指摘された段階でお越しいただければ、本当に治療が必要なのか、経過観察で良いのかを適切に見極めることができます。
私自身も健康管理にはかなり意識を向けていて、持続血糖測定のデバイスを実際に自分の体に装着して、食事と血糖値の関係を日々確認しています。やってみると、カロリーが低い食品でも血糖値が大きく上がることがあって驚きました。こうした実体験があるからこそ、患者様に対してもより具体的なアドバイスができていると感じています。早い段階から関わることで、将来の重症化を防いで、健康に過ごせる時間を少しでも延ばしていきたいと考えています。
患者様と一緒に歩む
地域の「よりどころ」として

患者様との向き合い方で大切にしていることは?

お一人おひとりの状態を総合的に見て、その方に合った治療をご提案することです。腎臓も糖尿病も高血圧も、一つの臓器だけで完結する病気ではありません。全体のバランスを見ながら判断していくことが、専門医としての役割だと考えています。
そしてもう一つ、大切にしているのが「伴走」という姿勢です。慢性疾患に終わりはありません。だからこそ、早い段階からサポートを始めて、採血や尿検査の結果を一緒に確認しながら、二人三脚で歩んでいくことを大切にしています。数値が良くなった時には、患者様と一緒に喜ぶ。その積み重ねの先に、健康で長く過ごせる毎日があれば、これほど嬉しいことはありません。

最後に、患者様へメッセージをお願いします

「こんなことで受診してもいいのだろうか」「どこに行けばいいのかわからない」。そう悩んでいらっしゃる方は、きっと多いのではないかと思います。健診で指摘された腎臓や血糖の数値が気になる方、日頃の健康管理で漠然とした不安がある方など、どのようなご相談にも対応いたします。
当院で対応できることであればしっかりとお伝えいたします。専門外のことであれば適切な医療機関にご紹介いたします。敷居を高く感じる必要はまったくありません。困った時に「とりあえずあそこに行ってみよう」と思い浮かべていただけるような、地域の“よりどころ”でありたいと考えています。
